Old ZeissのSonnarを2年ぶりにじっくりと使ってみたんだが、意外と良いことを再発見した。

2019年6月18日

この前、久々にOld ZeissのSonnar 135mm/f3.5を使ってみたんだ。単焦点の望遠レンズなんですが、人気がなかったので超格安で手に入れたんだ。

最初に書いた記事はこれ、丁度2年以上も前になるんだね。

不人気レンズの宿命

このレンズ、人気としてはいまいちなんです。それは、やはり特徴が無いっていうか撮った写真が素直に映るってことかな。

玉ボケが星型になるとか、ハレーションが美しく入るとか、そんなことは一切ない普通のレンズなんです。でもCarl Zeissなんですよ。

自分が持っているのは、初期型のゼブラタイプではなく、後期のMCタイプの物なんです。フードが組み込まれていて、引っ張ると伸びるタイプのやつですね。

このレンズ、マルチコート(MC)だけあって撮った写真は極めて普通なんですが、それはそれで非常に素直な写真だってことなんです。

でも、オールドレンス・マニアからすると何の特徴もない=価値が無いってことになっているので、価格が無茶苦茶安いんです。

135mm/f3.5の単焦点望遠レンズですよ。何時も使っているPancolar 50mm/f1.8が安くても1万円位する中、望遠レンズが1.2万円なんです。

しかも、革製のケースに入っているんですよ。ピントの摺動もちゃんと粘って、中古にありがちなスカスカ状態じゃありません。

中古のズームや望遠レンズは、レンズを下に向けるとピント部の摺動が無くなっていて、勝手にレンズが伸びるんですよ。最低って言えば最低なんですが、中古では比較的当たり前なんです。

だからこのレンズ、無茶苦茶程度が良いのに無茶苦茶安い。いかに人気が無いって分かるんですよね。

人気がなくても素直な写りに惚れる

何の取り柄もないレンズなんですが、逆に言うと素直に映るので自然体で非常にいい感じだと自分は思っています。

最近のレンズは、ピントが合っているとソリッド感があり、硬い感じがするんです。すなわち写真が冷たい感じがする。

逆にソリッド感が無いときって、ピントが合っていないだけって感じなんです。

でもこのOld Zeissは違うんですよ。例えばこの写真を見てください。

かもめ
EOS M3 + Sonnar 135mm/f3.5

確かに何の特徴もなく素直な写真のように見えますが、実際には朝日に当たりカモメの表面も薄っすらとオレンジ色に輝いているところなんか、すごく再現性が良いって思いませんか。

拡大して見てもらえればわかりますが、羽毛の柔らかさも結構伝わって来るんですよ。

これが1.2万円の中古レンズに見えますか?

自分としては、腐っても鯛。これがCarl Zeissの実力だと思うんですよね。

波打ち際
EOS M3 + Sonnar 135mm/f3.5

この海水を含んだ砂の、泥具合の柔らかさまで表現しているんですよ。素晴らしいと思いませんか。絶対にいいレンズですよこれは。

そして一番のお気に入りになった写真がこれです。

散歩

EOS M3 + Sonnar 135mm/f3.5

朝の浜辺を散歩する人々、そしてその周りの空気の具合までが見える感じがしませんか?

自分ながらに素晴らしい写真だと見入ってしまいました。ホント、冗談抜きに久々に良い写真が撮れたと思いました。

まとめ

最新鋭のカメラと、最新鋭のレンズを使って写せばもっとキリッとした写真が撮れるかもしれない。

本体の受光素子自体に手ブレ防止機能がついていれば、どんなにイージーに扱っても、ブレが出ることは殆ど無い。

それはそれで素晴らしいと自分も思うが、そんな型にはまった用な機械で撮った写真は、誰が撮っても同じ写真になり個性の欠片も無くなってしまうんじゃないかな。

それより、古いカメラと古いレンズを使って、マニュアルピントで合わせて撮れた写真を見たとき、同じアングルで撮っても2つと同じものは撮れない。

それが個性というもので、それが写真の原点じゃないかって自分では思っている。

負け惜しみに聞こえるかもしれない。でも、Leicaが今でも絶大なる人気を誇っているのは、やはり人が手で合わせる行為を残しており、撮る人の個性が出るように作られているからだと思う。

フルマニュアルのカメラで一度撮ってみると良い。もしくは、今のカメラにオールドレンズを嵌めて撮ってみるのも良い。

今とは違った世界が必ず見つかる。

あ〜これが写真なんだよねっていうのがさ。自分はこの何の特徴も無い、駄作と言われたSonnarが大好きだけどね。